伊勢の旅先案内人 青山和加(あおやまわか)
~青山和加が「伊勢開運旅」に辿り着くまで~
私は地元・伊勢の高校を卒業後、愛知県の企業に就職しました。 仕事に不満はありませんでしたが、24歳の時に退職。
理由は、当時付き合っていた男性が突然他の女性と結婚してしまったから…。 ありえないほどの出来事に、 生きているのがつらくなってしまったのです…。(彼との破局は、私も未熟で至らぬところがあったと思います。)
“師匠”と出会ったのはそんな頃でした。
きっかけは、仲の良かった幼なじみから 「“師匠”の家にお世話になっている」 と聞いたこと。 彼女は小さい頃から親子関係・親戚関係で深く悩まされ続け、 それが原因で人生に絶望してしまっていました。 でも、私には心を開いてくれて、ずっと仲が良かった。
実は、私も親子関係・親戚関係に苦しみながら過ごし、 その影響で、人が信じられず、心を閉ざし続けていました。 だから通じ合う部分があったのです。
でも、そんな彼女が 今、誰だかよくわからないような人の家にお世話になっている。 生まれて初めて「この人なら信じられる」と思った彼に裏切られ 人間不信にますます拍車がかかってしまった私が心配したのは言うまでもありません。
“師匠”との出会い
「“師匠”って誰?そこ、大丈夫なの?」
そう言って、変なところだったら彼女を連れ出そうと思って 私はその家に向かったのでした。 それが、私の人生が変わるきっかけになるとも知らず…。
“師匠”は霊性豊かで霊視ができる方で、
伊勢の、神宮にゆかりのある山深い場所に住んでいるにもかかわらず 毎日たくさんの方が相談に訪れていました。 その流れなのでしょう、 “師匠”は家に「生きづらい人たち」をたくさん住まわせていました。
DVを受けた女性、不登校になった少年、障害を持った子供…。
私の幼なじみはその中の一人だったのでした。
「あなたの話を聞かせて」
今思えば、“師匠”は 「生きていることがつらい」という私の思いをお見通しで そのように促してくれたのでしょう。
私の想いをずっと聞いてくれた“師匠”。
“師匠”の穏やかな表情に、 私は初対面だからと躊躇することもなく、 今の心境、そして今まで誰にも話してこなかったことまで話していました。
複雑な家庭事情、そんな家庭の子供だからと警戒する近隣の目、先生の目、デブでみんなからバカにされていた小学校時代、兄弟の中で自分だけが大学に行かせてもらえなかったこと、そして彼の裏切り…
夢中になって心にあったものを全て話し尽くし、涙も流し尽くし、 気がつけば3時間も過ぎていました。
“師匠”はその間、ずっと話を聞いてくれていたのです。 そのおかげで、今まで私の胸に詰まっていたものが 涙とともに全て取れたのでした。
その日、夕食にいただいたコロッケ定食は今でも忘れられません。
“師匠”の家で手伝いをしているおばちゃんが作ってくれた その定食をいただきながら、 私は思いました。
「生きたい…生きよう!」
“師匠”の提案
「あなたね、なんでもいいから何か人のためにしてみたら。 今まで家の環境とかを恨んで何もしてこなかったでしょう」
気持ちが前を向いた私に“師匠”はそう言いました。
「人が嫌い、大人が嫌い、先生が嫌い、友達が嫌い… そうやって生きてきたようだけど、 でもそれは、自分が嫌いってことなの。 だから、何か人のために無償で、見返りを求めずにしてみなさい。 そしたら気付くことがあるから」
そして、“師匠”の家で生活している人たちにごはんを作ることや 洗濯、掃除などの家事をすることを薦められたのです。 こうして、幼なじみのことが心配で訪れた“師匠”の家に、 私も一緒に住むことになってしまったのでした。
そして1年。
素直にやり続けた私は、 料理の腕も上がりましたし、 家事をどうすれば効率的にできるかということも 体験で学ぶことができました。 たとえば、洗濯物をどういう風に干せば早く乾いて取り込めるか、 どう取り込めば早く折りたためるのか、などなど。
ささやかなことではありますが、 今まで家事の一つもやってこなかった私にとっては大きなことで、 自分に少し自信がつきました。
また、家事の合間には縁側でノートを書いていました。 小さい頃からの自分を掘り下げていたのです。
カウンセラーを目指して
一緒に暮らす「生きづらい人たち」の話も聞くようになりました。 “師匠”が私にしてくれたように…。
そんな私をずっと見てくれていたからでしょう、 “師匠”がある日私にこう言いました。
「あなたは人の話を聞くのが上手だと思うし、感性もあるから ちゃんとしたカウンセラーの資格を取りなさい」
霊視で鑑定、霊媒師といったものでは怪しまれてしまうからと、 社会的に認められた資格を取ることを薦められたのです。 調べてみると、高卒の私にも取れるのは「産業カウンセラー」という、 企業で働く人の心理カウンセリングができる資格ぐらいでした。
そこで、師匠の家を離れ、
昼間は養護学校の臨時職員をしながら学費を稼ぎ、 土日に専門の学校に通うように。
3年後にようやく資格を取りました。 3年も続けられたのは、 言われたことは疑わず まっしぐらにやるタイプだったからだと思います。
デブでみんなからバカにされていた小学生の頃も、 先生に「お前はとにかく走れ」と言われ、何も疑わずに素直に走り続けたらマラソンで一番を取るまでになり 気が付いたらバカにされなくなっていたほどなので…。
いよいよ、スタート。
そして、カウンセリングの仕事をスタート。
しかし、クライアントが一向に元気にならない、というケースが続きました。
「いったいどうしたものか…」
そう悩んでいると、あるアイデアがひらめきました。 いや、「天から降りてきた」というほうが正しいかもしれません。
「神宮の森に行きませんか?」
思わずクライアントに言ってしまったそのひとことが、 今の仕事につながるきっかけでした。
神宮の森は幼いころから身近にあり、 私自身、ずっと森に癒されてきました。
つらいことがあると、いつも森に行って一人で泣いていました。 泣いている私を見かねた犬が私を舐めてくれたこともあります(笑)。 ひとしきり泣くと、いつも元気がチャージされました。
だから、クライアントも 伊勢に訪れてくださればきっと元気になってくれると思ったのです。 結果は私の想像をはるかに超えていました。 カウンセリングルームでは見たことのなかった目の輝き。 そうかと思えば、ある森に入ると突然涙が止まらなくなったり。 そんな変化を見せながら、表情はいつしか以前より柔らかに…
お客様の声を頂いて、気がついたこと
「気持ちが楽になりました。ありがとうございます! また案内してください!」
旅の最後にそんな言葉と晴れやかな笑顔を受け取った時、 私は思わず泣いてしまいました。
本来のカウンセリングの姿ではないかもしれないけれど、 自分の提案を受け入れてくださり、 そしてなにより、笑顔になっていただけたことが 本当に嬉しかった…。
そして、帰途につくクライアントの後姿を見送りながら 私はふと思いました。
「これだけお役に立てるのなら、 今回のような旅はもっといろいろな方に貢献できるのかもしれない」
実はこの時、 疲れた方を癒すためだったので、 外宮や内宮といった、たくさんの方で賑わう観光スポットには お客様からリクエストがない限り 一切行きませんでした。
ご案内したのは、観光客にあまり知られていない「別宮」の森や、 地元の方でも知らないような秘境の滝など。
それがよかったのだと思いました。
また、現地では、その別宮の歴史や、 どのような力を授けてくれるのかということをご説明しました。 それも非常に好評でした。
私はなにげなくお話ししていただけなのですが、
「一般の人が知りえないことをたくさん知っててすごい! 話はまだまだたくさんあるんですよね。 もっと聞きたい!だからまた来ます!」
とクライアントに言われて、 初めて「それほど価値のある話なんだ」と気付きました。 (のんびりしてますよね、私…)
毎朝の参拝を通して
では、私がなぜ「一般の人が知りえないこと」をご説明できたのか?
それは両親や、霊性のあった祖母が 神様仏様を特に大切にしていた人で いろいろ教えてもらっていたから、というのもあります。
そして、“師匠”から教えていただいたことは もっと次元が違いました。
強い力を授けてくれる秘境の場所自体、 “師匠”から教えていただいたところが多くあります。 最初は教えてくれなかった場所も 何年か経ってようやく教えていただけたりしました。 どこも、とにかく「すごい」としか言いようのない場所です。
また、神官さまからは昔も今も貴重なお話をいただいています。
“師匠”は神道に造詣が深く、 その影響で私は20代後半から ほぼ毎朝、いろんな宮に行って参拝していました。 (もちろん今でも行っています)
「おはようございます」
神官さまを見かけるたびに挨拶していたのですが、 ある日神官さまから「あんた、よく来るね」と言われ、 「入っておいで」と、一般の人は入れないような場所に 招かれまして。
そこで、お茶を入れてもらいながら、 神官さまのような職の方でなければ聞けないようなお話を たくさん聞かせていただくようになったのです。
経営者の方々にご案内した旅
さらに、ある宮では不思議なことに、 地元の有力な企業の経営者の方々と たまたま居合わせるということが続きました。 (今でも続いています)
その経営者の方々からも その宮にまつわる伝説や、ビジネスの話など、 貴重なお話をたくさん聞かせていただいています。
そんな方々から教えていただいたお話は、 もちろん、とてもいいお話ばかり。
なので、私は自分だけにとどめておいてはいけないと、 絶対に秘密にしなければいけないお話以外は クライアントにシェアしたのです。 (たくさんありすぎて、一回の旅ではとても話し切れませんが…)
それが、結果的には 地元の人もほとんど知らない、 私からしか聞けない話だということで 「また伊勢に来ますのでぜひ話を聞かせてください!」 という声につながったのでした。
思えば、人を信じず、心を閉ざしてやさぐれていた子供の頃、 そんな私でも目をかけてくれる、一人のおばあちゃんがいました。 確か、村の弘法大師のお堂の守をしていた人だと思います。
そのおばあちゃんが、 私の祖母にこんなことを言ったことがありました。
「この子、えらい徳のある子やな。 一生財(お金)に困らんわ。 縁にも恵まれる。 大事にせなあかんで!」
そして、私にも振り向いて
「あんたもよう覚えときな。 お金、縁。 ありがたいことやで!」
と言って、ニヒィ!っと笑いました。
あのおばあちゃんが言ったことは本当だったのだなと、 このとき初めて思いました。
私にしか提供できない伊勢の旅
こうして、クライアントを伊勢にご案内したのがきっかけで、 私はようやく
「一般的な観光ではない、 私にしか提供できない伊勢の旅がある」
ということに気が付いたのです。
ただ、それが仕事になるなんて 当時は全く想像もしていませんでした…。
仕事になったきっかけは、ある経営者の方との出会いでした。
ご縁があって、 まさに「一般的な観光ではない、私にしか提供できない伊勢の旅」 を提供させていただいたのですが、 その経営者の方にこんなアドバイスをいただきました。
「和加さんの旅って、経営者に喜ばれますよ。 経営者はみんな、パワーを得たいと思っていますから」
そして、私の存在、私の旅を 信頼できる経営者仲間の方々に ご紹介くださるようになったのです。 そのおかげで、今では お客様を幸せにする経営者の方に 力を授けてくれる別宮や秘境などをご案内させていただく 「経営者のための伊勢開運秘境旅」「女性のための伊勢プレミアム開運旅」を 生業とさせていただくようになりました。
このような流れで、私は
「生きているのもつらい…」というどん底の状態から、
幼いころから育ててもらった伊勢の森や海に助けられ、 “師匠”に助けられ、神官さんに助けられ、お客様に助けられ、 今を生きられるようになりました。 主人にも助けられています。 以前付き合っていた彼の裏切りがあって 恋愛にも人間にも臆病になっていた私でしたが、 カウンセリングを学んだ学校で今の主人と知り合い、 結婚して子供を持つ母になりました。
助けられたという以上に、 その時々で、出会った皆様から、そして伊勢から 力を授けていただいたのだと私は受けとめています。
だからこそ、私は今の仕事を 皆様へのご恩返しと思い、 心を込めて、私の大好きな伊勢をご案内させていただいております。
伊勢には、一般の観光客にはあまり知られていない、 地元の方に好評のお食事処・味処もたくさんあります。
まだ訪れたことがない方はもちろん、何度か訪れたことがある方も ぜひ、旅をご一緒させていただければ幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
伊勢の、とある別宮の森にて
青山和加
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