伊勢志摩は海女や真珠養殖など海の文化を育み、 伊勢神宮がたたずむ地。
伊勢志摩の真珠は美しい。来勢されるゲストのみなさんはそうおっしゃいます。
伊勢に住んでいても、巻きがよくて芯から輝く美しい真珠はとても高価でそうそう手に届くものではありません。
私は、チープなものでも真珠が好きです。本真珠も淡水真珠も淡いアイボリーのネックレスやピアスを身に着けると幸せな気持ちになります。
そして真珠を身に着けると大切な人を思い出します。
ふぞろいな真珠と私と障がい者の家族の話
伊勢志摩の真珠の名店や○キモトで売られている真珠は沢山のふぞろいの真珠の中から、一握り選ばれた美しい珠で作られています。
今日は、伊勢旅からワープして青山ヒストリー記事:今までに遭遇してきた出来事を綴る、私と私の家族の話をします。よければお付き合いください^^
私が30歳の時に、叔父が亡くなりました。叔父は障がい者で私達家族と暮らしていました。(私は叔父に障害があると思っていませんでした。ごく普通の人だと思っていました。)
しかし周りから「体の弱い人」「頭の弱い人」「知恵遅れ」などと呼ばれていました。私の記憶もおぼろですがそうだったと。
叔父は私を可愛がってくれました。おんぶは父ではなく叔父がしてくれた記憶しかありません。繊細で性根(しょうね)の優しい人で、はにかんだ笑顔を思い出します。
家は裕福ではありませんでしたが、家族は仲良く暮らしていました。
ですが学校に行くと友達が
「お前んちのおじさん、ばーかっ」
「アホがうつるからあっちいけー」
悲しい言葉でからかう。理不尽ないじめにあう。なんでだろう、みんな叔父を悪く言う。大好きな人が差別されて私も差別されているんだと思うとつらかったです。それから私はあまり話さない女の子になりました。
そして私は思春期になり年頃になり「叔父がいなかったらこんな目にあわないのに」と叔父を避けるようになりました。
就職して結婚して自分のことで精一杯なある年のお正月、叔父の訃報が届きました。
通夜の夜、初老の男性が通夜見舞いに来てくれました。
叔父の小学校の同級生の方で、生前の叔父のこんな話をしてくれました。
(我が家は伊勢志摩の海で真珠の養殖をしていました。叔父も真珠の玉入れや加工を手伝っていたそうです。迷路みたいな古い蔵にはふぞろいの真珠が放置されていました。)
「私が結婚するときに、むーちゃんが真珠を持ってきてくれたんですよ。それも不揃いの真珠を両手に持って。
「お金もないしお祝いもできへんけど、家にある真珠をお祝いに持ってきた」そう言って来てくれたんですよ。嬉しくてね。ムーちゃんができる精一杯のことをしてくれたんだと思ったらね。
ほんと嬉しくてね。私はそれが忘れられなくて。せめて、今日最後に顔が見たくてお別れに来たんですよ。」
その方は、叔父にお別れを言うために、名古屋から伊勢にきてくれたのでした。
その話を聞いて、家族で生前の叔父の温かい交流を知って 泣きました。
通夜が終わり、お葬式が終わり、一周忌が過ぎても 私の後悔の気持ちは続きました。叔父を大切にできなかった自分。見捨てた自分を悔やみました。
それから、大切な人は大切に。大事な人には大事だよと伝えようと心に決めました。
叔父の残してくれたもの、ふぞろいの真珠の話。
光る珠(たま)も光っていない珠(たま)もあっていい。
ヒトは完璧じゃないし、ふぞろいだ。私も欠落していて、完璧じゃない人間だけど、無理しなくっていいんだって。
無償の愛は無敵で、誰かを想う気持ちは相手の心を動かすということを叔父が教えてくれました^^
伊勢の山も川も同じカタチは一つもありません。
勇気や元気が欲しいと光を求めて伊勢にくるゲストの方がいます。欠けた心のカケラを探しに、伊勢に来るゲストもいます。
おこがましいですが、みなさんのチカラにもなれたら嬉しいです。一緒に伊勢を旅することができたら幸せです。
青山和加の「だからこそ今がある伊勢で育った物語」読んでくださりありがとうございました~^^
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