いにしえの時代より「神都」と呼ばれ、多くの人を魅了して止まないスピリチュアルスポット、伊勢。

伊勢神宮参拝の旅

五十鈴川カフェ

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伊勢・内宮おはらい町「五十鈴川カフェ」から眺める建築と風景に触れて 〜伊勢道中記〜

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以前、食べなきゃ損ソン!伊勢のグルメ10選!でご案内させてもらった五十鈴川カフェ。

こちらでいただけるケーキやモーニング、コーヒーが美味しいと評判なのでご紹介させていただいたのですが、ゆったりと流れる五十鈴川を眼下に眺め、歴史情緒あふれる空間に身を置くひとときは格別!

今回はそのあたりをご紹介しますね。

私が伊勢にお参りに行ったのは、こういった伊勢ならではの建築物、街並みに触れる体験がしたかったというのが大きな目的でした。

五十鈴川カフェは、そんな旅人の想いを満たしてくれる、思い出に残る場所のひとつ。

五十鈴川カフェ

五十鈴川沿いの遊歩道からもアクセス可能

もともと私自身、学生時代は都市計画専攻だったということもあり、現代建築の巨匠が式年遷宮とその意義を語っている対談や文章を何度も目にすることがありました。

名だたる建築家たちが伊勢神宮という共通認識のもとに議論を交わし、その歴史から発想を得た彼らが現代建築に転化し応用させ新たなるカタチあるものを生み出していく。

その過程を見守る中で、その真髄とも言える、もはや教科書的かつ日本的で揺るぎないものを、私自身、目で見て肌で感じ確かめたかったということが、この旅最大の目的でした。

 

伊勢神宮の建築からは学ぶことが多かった私ですが、個人的には、ここ五十鈴川カフェも、おはらい町やおかげ横丁など散策している中で一番良いなぁと感じる空間だったんですよね。

 

そんなわけで、さっそくご案内していきます。

あっ。テルコさんも、五十鈴川カフェによく行かれるようですね。

伊勢神宮内宮・宇治橋より、おはらい町へ。

伊勢神宮・内宮より、伊勢おはらい町通りに入ります。

おはらい町

石畳が五十鈴川に沿って続くこの道、通称「おはらい町」。800メートルほど続くこの門前町の両脇には、歴史を感じさせる建物が並びます。

テルコさん
大きな切妻屋根が、一定のリズムを生み出しています。

 

この情緒ある景観について色々と調べてみると、やはりこの地域「内宮おはらい町地区」は、伊勢市の景観地区に指定されている地域でした。

伊勢の建築様式を基本とした日本瓦葺きによる切妻・妻入りの屋根杉板のきざみ囲いの外壁によるまちなみを保全するため、平成21年10月1日付けで「景観地区」を決定しました。
引用:伊勢市「景観地区(内宮おはらい町地区)・内宮前の高度地区の都市計画」より

なるほど。

そういえば、昨年オープンして間もないスヌーピー茶屋(『スヌーピー茶屋』を知ってる?伊勢市おはらい町に、遂に登場!オリジナルランチ有♪)も、エントランス部分や外観で周囲との調和を図っていましたね。

 

「平入り」と「妻入り」について

また、こういった整然とした街並みを構成する要素の一つとして、平入り妻入りを意識して揃えて建てられいる事も挙げられます。

五十鈴川カフェ

お粗末な絵ですみません。。

つまりは、屋根と入り口の設け方の関係。この図のように、おはらい町では通り沿いを店舗入り口を妻側に揃えた妻入としているのがよく分かります。

五十鈴川カフェ

これは、平入りにすると神宮の神様のお住まい(=神明造・しんめいづくり)と同じ形式となってしまうため、恐れ多いという事から妻入りをとっている、と考えられています。

 

こちらが五十鈴川カフェの入り口。

五十鈴川カフェ

しばらく進むと、右手に「珈琲、團子」の文字が見えてきます。

表側はお団子屋さんと民芸品屋さんですが、この間を通って奥に進むとカフェの入り口があります。

五十鈴川カフェ

少し勇気が要りますが・・・こちらをくぐって行きましょう。

五十鈴川カフェ

おはらい町ではここだけなのかしら。四方を建物が囲う、ちょっとした明るい中庭。

五十鈴川カフェ

ヨーロッパを旅した時も、ゲートをくぐると建物に囲われた中庭のある集合住宅を多く見かけましたが、それに近い雰囲気。

それにしても、この外でも内でもないオープンな空間、面白いですね!

五十鈴川カフェ

さすがに回廊があるほどの広さはなかったですが、この階段をさらにおりていくと・・・

なんと。五十鈴川沿いの遊歩道に出られるのですよ。

五十鈴川カフェ

抜け道だったとは。素敵!!

神聖な五十鈴川をこんなに間近に感じられるなんて。
こちらの五十鈴川については、後ほどご案内しますね。まずはカフェの中へお邪魔しましょう。

 

五十鈴川カフェの見晴らしは最高!

五十鈴川カフェ

伊勢神宮・内宮の御手洗場から望む、五十鈴川。

窓辺のカウンターでは、淹れたてのコーヒーを堪能しながら五十鈴川を一望する事ができます。

春には桜並木を見下ろすことも出来るそうですよ。

五十鈴川カフェ

注文とともにお会計を先に済ませるスタイルのお店なので、落ち着いて過ごせますね。

喫煙席と禁煙席は建物が分かれいて、完全に分煙されているのも嬉しい。

こちら五十鈴川カフェのモーニングセット

五十鈴川カフェ

9時から11時までの限定メニュー。先着順なので、混雑時は売り切れてしまうことも。

ブレンドコーヒーは程よくさっぱりとしたお味で、好きな香りでした。

五十鈴川カフェ

名物、和三盆と白豆のくるりセット

和三盆のやさしい甘さと、ふんわりとした生地の相性が抜群で。朝10時に噛みしめる幸せ。

一方、生クリームが大好きな我が子は、フレッシュジュースとともにあっという間にペロリと平らげ、私の分まで狙っていました。

わかった、わかった。落ち着いて。。

 

カフェでスイーツを堪能したら、五十鈴川へ行ってみよう

五十鈴川カフェ

今度は、先ほどのカフェの入口脇の階段を降りて、五十鈴川沿いを歩きます。

五十鈴川カフェ

五十鈴川から見る景観も、整っていますね。

雨どい一つとって見ても、壁面内部に引き込むよう設計され、出格子(手すり)も、格子台と庇、格子から構成されています。

明治以降に建てられたものが多いこの町屋は、一時、歴史ある景観が崩れてしまった時代もあったそうです。

ですが、地元の方々の並々ならぬ努力と行政の理解があって、古き良き街並み形成を保存し維持しようと計画が練られました。

おはらい町でのまちづくりは
「凍結保存ではなく、生活する場として、往時のまちなみを再生」を基本理念に掲げ、新たに再生しながら伝統あるものを残していく、
住民の生活を損なうことなく往時のまちなみを再生する

「生活のにおいのするまちづくり」が特徴です。

引用:伊勢市「内宮おはらい町地区の景観形成について」より

歴史を完全に保存するのではなく、歴史の中で築かれた「伊勢・内宮おはらい町」たる要素を抽出し、共有しつつ、新しい建造物を構築していく。

そうやって新陳代謝を繰り返していく。

まさにこの手法こそ、「式年遷宮」に通ずるものを感じます。

 

五十鈴川はこんなに澄んでいる

五十鈴川を宇治橋方面に歩き、しばらくすると、五十鈴川の側まで出ることが出来て。

五十鈴川カフェ

五十鈴川って、こんなに澄んでいるんです。しかも、鯉が泳いでる!

ここ、池じゃなくて川です!

一匹じゃなくて数匹。こんなに澄んだエメラルドグリーンの川は、見たことがありません。

五十鈴川カフェ

とても神聖な川だけに、こんなに大勢の鯉が出迎えてくれて。嬉しかったです。

こんなに近くまで寄ってきてくれて。見た事もない大きな鯉に、子どもも喜んでおりました。

五十鈴川カフェ

雨が降れば見れない事もあるのだとか。

こうして伊勢ならではの自然を見て触れて、とっても貴重な体験が出来ました。なんだかとっても、ありがたいなぁと思えました。

 

五十鈴川カフェへのアクセス

五十鈴川カフェ

■ ■ info ■ ■
五十鈴川カフェ(年中無休)

住所 : 三重県伊勢市宇治中之切町12
TEL : 0596-23-9002
営業時間 : 9:00~17:30(ラストオーダー17:00。季節により異なる)

伊勢内宮のおかげ横丁に行かれる際は、是非立ち寄ってみてください。

今もなお人の手で守られている、歴史と伝統が感じられるひとときが過ごせますよ。

 

それでは。伊勢旅編集部員のカオジロでした。

 

 

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青山 和加
伊勢在住。産業カウンセラーとして活躍していた当時、伊勢・神宮の森が持つパワーを再発見。それをきっかけに、伊勢神宮のご利益神社やパワースポットに案内する「伊勢旅」を主催。経営者を中心に、「心の安泰が得られた」と好評を得ている。また生粋の能力を活かし、25年間、心理カウンセラーとして活躍。全国に500名の顧客を持っている。

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